20th anniversary of Multilingual Network
マルチリンガルネットワークは、2016年7月1日に20周年を迎えました。
ふつう20年もやっていれば、大事件があったり、経営危機があったりするものです。とんでもない苦労をした時期があって、そこで劇的な出会いやドラマがあって、奇跡的に回復したといった感動秘話がありがちですが、そんな話は、残念ながらありません。
率直に言えば、大きな波や苦労があったという実感はなく、淡々と20年を過ごしてきました。「マルチリンガルネットワークを何がなんでも続けるぞ」という固い決意をもっていたわけではありません。ただ、「特にやめる理由はないし、続けるんだろうな」とは漠然と思っていました。そうしたら、20年たっちゃった、というほうが実感に近いです。
この20年間、類似のサービスがたくさん生まれました。機能が充実したコミュニティもありました。急速に利用者を増やすサイトもありました。そして、その多くが消えてなくなりました。利用者相互のトラブルがあったか、掲示板の落書きなどがあったか、経営が破綻したか、熱意が冷めたか、わたしにはわかりません。
結果として、今のところ、マルチリンガルネットワークは、生き残ったコミュニティの数少ないひとつになりました。提供するサービスは、いたってシンプルで、大きくは変わっていません。それでも、利用者数は、リーマンショックがあろうが、大きな災害や事件があろうが、facebookaが現れようが、ずっと安定してきました。そんなふうにして、20年間続けることができました。このことは、素直に誇りに思います。
それもこれも、世界じゅうの温かいユーザーのみなさまに恵まれたことに尽きます。
あらためまして、ありがとうございます。わたしが、利用者の方に直接メールして、感想等をヒアリングすることは基本ありません。ごくたまに利用者の方からいただくメールが情報源です。「新しい仲間と知り合えました。」「旅行して相手に会ってきました。」「無二の友達ができました。」「メールやSkypeで息の長いつきあいを続けてます。」「彼氏・彼女ができました。」「結婚しました。」…。
最近は、地元福岡で知り合った外国人さんに直接聞いてみることがあります。すると、「マルチリンガルネットワーク?知ってます!あなたが主宰者なんですか?実は福岡に来たのは、マルチリンガルネットワークで知り合った友達が福岡だったからです。」みたいな話が聞けます。
一方で、圧倒的大多数の方は、外国語がうまくしゃべれず、コミュケーションができず、メールが続かなかった方々のはずです。それでも再び、マルチリンガルネットワークを思い出してチャレンジいただいている様子はわかります。これが、また喜びです。
日本語を伸ばしたい方。異国の文化・芸術・伝統・地域などに関心がある方。なにか新境地にチャレンジしたい方。そういった方たちが、どこからともなく集まるコミュニティ。「利用規約」がないのに、みなさん、場の秩序を乱すことなく、心地よく過ごしていらっしゃる。そんな不思議な魅力をもった「場」にはなれたのかなと思います。今後も、そんな不思議な「場」であり続けたいと思っています。
これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。
https://www.facebook.com/multilingual.network/マルチリンガルネットワーク
主宰 堺武志
2016年7月1日